児童養護施設
その中身はあまり知られていないと思います。
昨年度ドラマで放送された
“明日ママがいない”
これを見ていただいた方は
これが児童養護施設の現状なんだ
と思われている方もいらっしゃると思います。
確かにそういった部分ないことは無いですが
少し現実場慣れしている表現もありました。
これは賛否両論あったと思います。
今回は、そんな児童養護施設の実践的な取り組みについて
お話していきます。
■児童養護施設の入所理由
児童養護施設へ入所してくれる子ども達は
様々な理由から入所しています。
最も最近で多いのが
虐待ケースですね。
これはあなたもニュース等のイメージも強い
と思われます。
実に70%以上がこの虐待ケース
虐待には3種類
①身体的虐待
②心理的虐待
③性的虐待
があります。主に発見されやすいのが
①ですね。体の変化を見て通報されることが多いです。
見えにくいのが②、③これはなかなか発見が難しい
そして影響も大きいというのも問題です。
特に③は隠れて、①と②と同時に起こっているケースも
非常に多いため、細心の注意が必要になります。
入所の経路としては
基本的に児童相談所から施設へ入所以来が掛かります。
そしてその子との適正等を考慮した上で
施設が判断され、入所に至ります。
入所する年齢はざまざまなですが
低年齢の小学生1年生で入所というケース
はあまりないです。
基本的に発見が遅れてしまうというケースが
非常に多いですね。
■児童養護施設での子ども達の生活
では、少し生活面を見て行きましょう。
基本的には時間が決まっています。
イメージは林間学校にいったりした時の宿舎の様な
ルールがおおいですね。
集団の生活なので、どうしても時間の制約などルール
があります。
子ども達が一番もめるのが
テレビ
ゲーム
おやつ
についてのルールですね。
ゲームの時間をすぎていても次の子に変わらない
おやつをとる
テレビをかわらない
など日常茶飯事でこれらに関しては問題が多かったですね。
ただ、集団生活に慣れてくると
良い効果もあり
例えば年上の子が年下の子の面倒を見てくれたりします。
児童養護施設では、小学1年生から高校3年生までの子ども達がいるので
面倒を本当によく見てくれていました。
■里親制度との併用
里親制度の併用
これについては、あまり知られていないと思います。
基本的に児童養護施設にくる子達は
親とすぐに会えない長期的なケース
が多いです。
ですので、子どもが小さい年齢であれば
里親と利用していくことで、家庭的な雰囲気
を感じてもらうということも行っています。
それが
週末里親です。
養育里親や専門里親等
里親にも種類があるのですが
長くなってしまうので、また次回お話したいと思います。
この週末里親は
文字通り土曜日や日曜日に子どもを預かってもらう制度
です。
集団的な生活ではなく
より家庭的な雰囲気を味わってほしい
そこで愛着も持ってもらいたいということで
活用することが多いです。
ここで一番大事なのが
“マッチング”
いかに相性があうか?
ここは少し時間をかけて行っている所です。
週末里親は、長く継続的に関わってくださる方
が何よりも大切ですね。
■様々な子育て実践
いよいよ実践法ですが、
詳細はまとめて細かくこれから書いて行きますね。
今回はどんな子育て実践を取り入れているか?
ご紹介しますね。
①コモンセンスペアレンティング
②暴力防止プログラム
③SST(ソーシャルスキルトレーニング)
④性教育
⑤カウンセリング
を実践しています。
①では、心理学の応用行動療法と呼ばれる手法の応用で
簡単に言うと、良い行動➡いい結果、悪い行動➡悪い結果
を繰り返して伝えて行く事で、良い行動を増やそう
という実践方法ですね。
②CAPと呼ばれてもいます。
アメリカで生まれた物で、基本的に相手から
身を守る方法を学びます。
キーワードは
“安心” “自信” “自由”
これが脅かされては絶対にいけない
これを守るためにはどうすれば良いか?
をワークを通じて学びます。
③SST
これは、社会に出たときに役立つビジネスマナー
あるいはホテルでのマナー
挨拶
敬語
はたまた相手との適切な距離の取り方
など対人関係や社会でのルールなど幅広く学びます。
これを通して社会に出て行く様に伝えていますね。
④性教育
これについても
小学生
中学生
高校生
と段階をあげて、それぞれのレベルで活動を行っています。
人の距離、生命の神秘など
子どもが興味、関心を持って取り組める様にしていますね。
⑤カウンセリング
これに関しては、専門のカウンセラー
の方にトラウマ治療を中心に行ってもらっています。
様々なバックグラウンドがあるので、しっかりと
サポート体制を作っています。
■何よりも愛着!!
ここまで、児童養護施設のことをお話してきました。
一番大事な事は
“愛情”
これにつきます。
子どもは愛着があれば
成長していけます。
そして、それがたとえ本当の親でなくても
もちろん一番は絶対に親です
これはどんな子も一緒です。
けれども
人は大切にされた経験があれば
人を大切にする人間に育ちます
こういう価値観と信念をもって
子ども達と関わっているのが
児童養護施設です。
■まとめ
今回は長々と児童養護施設の中身のことを
お伝えしてきました。
本当にいろんな子がいます。
すぐに手が出る子
感情がなかなか出ない子
意地悪な子
ものをとっちゃう子
本当にいろんな子がいます。
でも、だからこそ絶対にあきらめない
そのために様々な教育実践を繰り返している。
そこが、子ども達の居場所で有り続けられる様に
職員も頑張っている。
そんなところが児童養護施設です。
また、今日ご紹介した教育実践の内容は
噛み砕いてお伝えしてきますね。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。